夢小説
□紫原
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半ば諦めかけで過ごした一日はあっという間に過ぎ
やっぱりというか、私は紫原先生にプレゼントを渡せず放課後を迎えた
「はぁ…」
本日何度めか分からない溜息を吐き出し、帰ろうと鞄を肩にかける
「苗字ー!」
ふいに呼び止められ反射的に振り向く
「これ、紫原先生の所まで持って行ってくれ」
そんな言葉と共に学年主任が私に持たせてきた馬鹿みたいに積み上げられた書類と思われる紙たち、女子の中でも高めの身長の私の顔が塞がれる程
この野郎…
と、思いつつ学年主任が言った言葉を脳内で繰り返す
…紫原先生に持っていく…?
立ち尽くしている私を放置し、学年主任はさっさと歩いて行ってしまった
湧き上る嬉しさと、興奮からか、緊張からきたのか速さを増していく脈
ここで私が勇気を振り絞って紫原先生にプレゼントを渡せれば…!
気合を入れるように私はプレゼントの入った学生鞄をぽん、と叩き教室へ足を運ぶ