夢小説

□高尾
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今日、珍しく幼馴染の和成から「一緒に帰らないか」と誘いが来た
いつも同じ部活の緑間君と一緒に帰ってるのに、何事かと聞くと今日は朝も一人だったらしい
たまに見るあの恥ずかしい自転車が壊れたとか。


「お待たせー!」


制服を着崩した和成が自転車を押しながら私の待っている校門まで来る

「待ってないよ」と返すと「そっか」と相槌を打つ和成
では帰ろうと靴先を進行方向に向けると和成から制止の声がかかった

「なに」と振り返ると和成は自転車に跨りその後ろをぽんぽんと叩いている

これは、乗れってことなんだろうな

和成と距離を縮め、大人しく後ろに跨る


「出発しんこー!」

子供のように笑う彼にクスリと笑みを零しながら力なく「おー」と言う


「わ、」


和成が自転車を走らせると上半身のバランスが保てず、無意識に和成の腰へ手を回す


「…、…」


なにも言わないけど分かる
彼は、和成は決して嫌がっていない


無言でペダルをこぎ始める和成に、顔にかかる風を感じながら
いつの間にか大きくなった和成の背中にぽすりと頭を預ける


 
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