夢小説
□黒子
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私の朝は大好きな彼からの「おはよう」で始まる
『おはようがざいます、名前』
最初は寝起きの声を聞かれるのも恥ずかしかったけど、こうして電話越しのテツヤと朝の時間を共有できる
その事実だけで恥ずかしさなんてどこかへ行ってしまった
「おはよう、テツヤ
今日も愛してる」
さらさらのシーツの上で素足を絡めながらそう言えば電話越しで怒ったような、けど笑ったような「先に言われてしまいました」
というテツヤの声が鼓膜を震わせた
―――――――
「おはようございます、名前」
「おはよう、テツヤ」
学校に登校してから、私たちは二回目の「おはよう」を交わす
まだ誰も来ていない静かな体育館の中心で私とテツヤはキスをする
テツヤが私を抱き寄せて、私はテツヤの背中に腕を回す
「…っ、ふ」
次第に激しくなっていくキスに私たちは名残惜しく離れた
「…、…皆が来てしまいましたね」
「そうだね」と言いながら私とテツヤは体を離す
…今日はこれでお終いか…
少し不機嫌気味になりながら体育館の扉へ足を向ける
重い扉を開ければカラフルな頭の人達がいて激しい動揺は見せなかったが、微かに揺らされた肩を睨みつけながらその場を後にする
「…、…早く」
――――放課後にならないかな
誰に言うわけでもなく、呟いてみた