短編
□チョココロネ
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※注意...木手が木手じゃありません
『ねえ、木手。』
「はい?」
『近い近い近い!うっとうしいよ、あほ!!ていうか、なんで急に顔を近付ける!』
名前呼んだだけなのにめちゃくちゃ近寄ってきたよ、こいつ。もうなんなんだよ、気持ち悪い。
「で、なんですか?」
『まず、顔を離せよ気持ち悪いなコンチクショー。死ねよ。』
「快、感っ。」
『ためて言うところが生々しいからやめて。』
「今日の頭は生焼けなんです。」
『いきなり会話がおかしくなったぞ。なんだ頭が生焼けって。』
「実はわたしの頭はチョココロネなんです。」
『え、髪の毛じゃないの?』
「パン生地です。」
『紫色は?』
「紫芋使用ですよ!」
『いきなり力入れるな!びっくりしちゃったよ、ばかやろっ。』
血走った目でわたしを見るんじゃねぇよ。ていうか、急に目をかっ開いて近寄ってくるなよ!また顔近い近い近い近い!!
「ここを押すと……ぺいちゃっちゃ!」
『ぶっ。なんつー掛け声ってチョコレート顔についた!最悪!!』
「チョコレートじゃなくて、うんこです。」
『おいこら!』
「わーいわーいうんこまみれ!」
『もうお前誰だよ。』
「木手チョーココローネっちょり永四郎ですけど。」
『ミドルネーム長っ!てか、ねっちょりって意味わかんない名前が入ってるんですが!意味不な伸ばしが入ってるんですが!!』
「もう木手汁でいいですよ。」
『うるさいよ。何がいいのかよくわからない。』
「実はわたしの頭はチョココロネなんです。」
『それさっきも聞いたよ?!』
「もううんこコロネですね。」
『だから、おいっ!』
「ああっ!わたしの眼鏡が!!」
『えぇ?!お腹殴ったのに?!』
「眼鏡はお腹でかけるもんですよ、ええ。」
『何納得してるの?!じゃあ、お前の目にかけているもんはなんなんだ!!』
「木手本体です。」
『じゃあ、それ壊せば木手は死ぬの?』
「第二の本体がここです。」
『え、生焼けパン?ていうか本体って普通一つじゃん。』
「木手永四郎を舐めないでほしいですね。」
『誰も舐めねえよ。ていうか、ただのばかだなって思っている。それも結構前から。』
「がちょんっ!」
『古いよ。』
「とりあえずこのチョココロネさえあればなんとかなるんです。」
「永四郎ぉー。」
「ぐわっ!」
「お?永四郎は?さっきまでここにいたと思ったんだけどなー。」
『平古場、あんたの下にいるよ。』
「お!」
「ぶっ。ひ、平古場くんっ!」
『おいおい。一気に二つの本体が失われたじゃないか。ほら、死ねよ。』
「た、助けてくださいっ!」
「わーい、永四郎死ぬのか!」
「なんて嬉しそうな笑顔!」
『もっとやっちゃえ。』
「なんて鬼畜プレイ……はあはあ。萌えってこっぐあぱっ!!」
床にひれ伏している木手を追い詰めるかのようにわたしは奴の顔を踏み付けてやった。うん、若干笑顔なのが気持ち悪いんですが
「ちょ、チョコが目に入って、いてててっ!」
「なー。」
「痛い!痛い!!」
『何?』
「聞いてますか!わたしの話!」
「もー飽きたから部活行こうぜー。」
『うん。行こっか。』
「え、ちょ、二人とも?!わたしはこのままですか?あぁ…放置プレイ最っ高!」
そうやって去り行くわたしたち二人に向かって叫んだ木手永四郎が大っ嫌いです!なんだあの眼鏡やろーみたいな感じだよ、本当。しばらく部活内で、いや学校全体で無視してやろうかななんて思いました!おしまい!!
次の日
「見てください!今日のパンはクロワッサンですよ!!」
全然反省してないよ、こいつ……!!
あとがき
え、いや、あの、なんか本当申し訳ありませんっしたあ!