短編集 BL
□どあほう観察日記@
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どあほう観察日記@
〇月×日 晴れ。
ウォークマンを聴きながらチャリンコに乗って登校。
今日も今日とて轢きつ轢かれつの危険な道のり。
当人、流川 楓にとってはそんなことはどうでもいいらしく、今日も今日とて愛しのどあほう、桜木 花道への一本道をひた走る。
(どあほう…。早く会いてー)
数十メートル先の曲がり角から人影が出て来るのを視界がとらえる。
キュピ――――ン
どあほうレーダー発動!!
どあほうまでの距離 87.39m。
目標を確認すると、そのスピードは加速する。
そしてブレーキがかけられることはなく。
ガッシャ――――――ン
「痛゙っ」
蛙が踏み潰されたような、なんとも言えない悲鳴があがる。
それにはなんの反応も見せず。
「どあほう おはよー」
決して爽やかとは言い難い流川のあいさつ。
(朝一番の生どあほう…)
朝っぱらから既に鼻血もんである。
一方、流川によって倒された花道は、頭を振って立ち上がる。
鮮明な赤がふわり、と揺れる。
「人のこと轢いといて何がおはよーだ このキツネ!!」
開口一番そう怒鳴る花道。
(怒ってるどあほうもかわいー。)
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