小説

□俺に痣があった
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『ツナ、肘に痣があるぜ』
「え?」
『青痣』
山本が指差す俺の右肘に、1cm程度の青痣があった。
「あ、ホントだ…気付かなかったよ」
『昨日まで、そんな痣、なかったぜ?』
「そうだっけ?」
『うん、なかった。どうしたんだ?』
身長の低い俺の肘を、自分の目の高さに持って来て、じっ…と痣を見る山本。
「て、ゆーか…なんで、俺の痣なんか知ってんの?」
『ツナの事、毎日見てっから』
「え?////」
『ツナは俺にとって、赤マルチェックな男だからな』
「え…あ、そうなんだ////」
笑顔で『赤マルチェック』なんて言われてもな…俺、どんな顔していいかわかんないよ。
『ツナ?どした?』
「な、なんでもないよ」



右肘の青痣はみっともないけど、この痣に俺はなんとなく感謝した。



END

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