小説

□一生安心終身保険
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「山本、コレね、イタリアの保険。一生安心終身保険…てヤツ。ここに名前を記入してね」

ボンゴレボスのツナは、笑顔で一枚の紙とペンを山本に差し出しました。

『保険?んー…日本で、親父がオレのも加入してくれてるはずだけどなー』

首を傾げながら、呟く山本に「日本の保険とは別に、イタリアでもちゃんと入っておかなくちゃ」と、やはり笑顔でツナは言いました。

『そうなのなー!この欄に名前書けば良いのな?…あれっ?ツナの名前も書いてあるけど?』と、山本は不思議そうに尋ねました。

「あー、それはオレがボンゴレのボスだら。組織用の保険なんだ。ほら、早く記入して!」と、山本にペンを握らせながら、ツナは鼻息を荒くしました。

(この書類に、オレと山本の名前を記入して役所に提出すれば、オレ達は晴れて夫婦だ!)と、些か笑顔が興奮気味なツナでした。

そう、この紙はイタリアの婚姻届けなのです。

『あれっ?この紙って…少し前に雲雀が同じのを持って来て、ボンゴレ上層部に提出する急ぎの書類だから、オレの名前も早く書けって。コレと同じように名前を書いた覚えが…』と、頬をぽりぽり掻きながら山本は呟きました。

「はぁ?!なっ、山本!それホントなのー!!」

大声を張り上げたボンゴレボスのツナは、直ぐさま携帯を手に部下に役所を調べさせ、雲雀恭弥にも連絡を取りました。

[やあ、慌てた様子だけど、どうしたいんだい?]

ゆったりとした口調で雲雀が話しました。

「やあじゃないでしょ!アンタ、山本になんて事したんですかっ!」
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