小説

□美味しくないけど…
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「山本っ!お誕生日おめでとう!」
『わわっ、ツナ、何いきなり抱き着いたりして…さっきもファミレスで、沢山、おめでとうって言ってくれたのに、どした?』
今日、四月二十四日は俺の誕生日。平日で部活があったけど、親友のツナが俺の誕生日を二人きりで祝いたい…って言ってくれたから、部活が終わるまで待っててもらって、学校帰りにファミレスで一緒に飯食ったんだ。
「誕生日だから、今夜は俺のおごり!」
ツナ、本当にサンキューな!



「山本、俺、二人きりで誕生日祝えて、大満足だったよ!」
『あ、うん…ご馳走になっちまって、ありがとな!しかも、家まで送ってくれて。ツナが誕生日ん時は、俺も…』
「俺の誕生日の時は、山本が居てくれるだけでイイよ!」
『?』
「山本が居てくれれば、ご飯三杯イケるよ、俺」
『そーなのな?』
ご飯三杯?…俺はツナの言う事がよくわかんなかったけど、ツナの誕生日ん時は、俺ん家で白米をたらふく振る舞ってやろう…と考えた。
「じゃあ、山本、また明日ね!」
『おう、おやすみ』
ツナは、俺に手を振りながら自分家へ帰って行った。



『親父、ただいまー』
「おう!武、おかえり!」
『今日の弁当、すげぇ豪華で旨かったぜ!』
「たりめーよ!お前の誕生日だから豪華な弁当にするってのが、親の役目でぃ!」
『ハハハッ!クラスの奴らにも分けてやったら、喜んでたぜ!』
「そりゃー良かった!」
『ありがとな、親父!』



俺は、親父に礼を言って二階へ上がり、自室の襖を開けた。
「お帰りなさい、武」
『!』
「今日は、貴方のお誕生日…と情報を得たので、お部屋で待たせていただいていたのですよ」
『骸!…って、親父、お前が来てる事なんて、なぁんにも言ってなかったぜ?』
「すみません。お父様はお忙しそうでしたので、異空間からこちらへお邪魔させていただきました」
『異空間?へ〜?そーなのな…あ、お茶でも入れっか!』
「ああ、武、どうかお気をつかわないで…」
『まあまあ、座っててくれよ!』
俺は居間へ降り、緑茶を二つ入れて二階へ上がった。骸は、座ったままニッコリと待っていて、俺の入れたお茶を飲んでくれた。



『んでな、ツナとファミレスで飯食ってて、ドリンクバーで“南国パイナップル茶”ってゆー、変わったお茶を飲んでみたんだけど…』
「パイナップル茶ですか?…武、そんなに僕の事を」
『へ?あ、そうなのな。パイナップルって文字見たとたん、骸を思い出してさ…髪型がパイナップルじゃん、骸って!ハハハ』
「武…!」
『…って、骸?!』
ドンッ!といきなり骸が俺を畳に押し倒す。
『骸?どした?』
何で、お茶飲んでしゃべっていたのに、押し倒されるんだ?
「そんなに僕を味わいたいなら…」
『へ?…って、ちょっ、ちょっと待て!』
骸は、俺に馬乗りになりながら、プチプチと制服の胸のボタンを外し始めた。
「クフフ…」
『やめっ…あ、そんなトコ…』









「ほら、武…先程、僕がやってあげたように口に含んでみなさい」
『…んっ』
「クフフ…そう、初めてにしては上手ですよ」
俺は、骸と……骸とHなコトをしてる。
骸は、俺の後ろに挿れたい…と尻を触ってきたけど、俺はそんな怖いコトなんて絶対出来ない!って断った。
代わり…ってゆーのは、多分、変なんだろうけど、骸は俺のモノをくわえてイカシテくれたから、俺も骸のをくわえている。
こんな行為、俺は初めてで、何が何だかわかんねぇけど、骸は褒めてくれる。骸が俺にしてくれた時、すごく気持ち良かったから、俺もちゃんとやらなきゃ。
「っ…武、出しますよ?」
『?!』
骸の言葉を理解出来ないまま、俺の口ん中に、イッパイ出された。
『うっ…ゴフッ!…む、くろ』
「クフフ…武、可愛い」
咳込む俺の頭を撫でながら、骸は笑う。
『骸…』
「来年の貴方の誕生日には、今日以上の事が出来ると良いですね…クフフ」
『え?』
「一年かけて、貴方を躾ましょうかねぇ…クフフ。来年が楽しみですね」
俺が骸を見上げと、すうーっと姿が霞む。
『骸っ!』








『…骸っ?!』
俺は、いつの間にか部屋に一人で居た。今まで一緒にいて…あんなコトしてた骸が居なくなっていた。
『骸…』
テーブルには、俺が入れた湯飲みが二つあった。…なんだよ、骸。俺の誕生日だから、来てくれたのは嬉しかったけど…あんなコトし合って、すぐに帰っちまって。
『来年は…って、なんだよなっ/////』



俺の口の中は…『苦っ…』。思わず、舌を出す。またファミレス行ったら、あの頭の痛くなるような南国パイナップル茶を飲んじまうかも…って思う俺はオカシイのかな?



END

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