短編集

□嫉妬と約束
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放課後

今日は仕事も無い為にカノンと一緒に帰ることになった

とはいえ、なのはが勝手にカノンに言って、私の意見なんて聞いていない

でもカノンと一緒に帰るのは嫌じゃないけど…



「はぁ…」

「フェイト?大丈夫?」

「うん…」



やっぱり昼休みの光景が目に焼きついて、頭の中ではネガティブな思考が巡っている

その事からため息ばかりはいてしまう私



「ねぇ、フェイト」

「な、何!?」

「ちょっといいかな?」



そう言いながら足を止めて私を見るカノン

その事に別れようといわれるんじゃないか、と言う思考がやっぱり巡る



「私さ…何かしちゃったかな?」

「ぇ…?」

「何かしたなら、言って欲しいな…。フェイトが辛そうな顔してるの、嫌だし」



そう言いながら私の手を握ってくるカノン

その事にカノンはやっぱり優しいと思った

いつでも私のことを考えてくれている

そんな優しいカノンに私はこつんとカノンの胸元に頭を当てた



「……フェイト?」

「大丈夫…。私が…勝手に嫉妬しただけだから…」

「嫉妬?」

「うん…。最近…カノンがよく呼び出されてるから…不安になって…」



ぽつりぽつりと話し始める私

そんな私の話をカノンは何も言わずに聞いてくれた



「頭の中でカノンに別れようとか言われちゃったらどうしようとか…いろいろ考えちゃって…」

「はぁ…このおバカフェイト」

「はぅ…」



ぺしんと額を叩かれた



「私はフェイトのこと、誰よりも大好きなんだよ?別れようなんていうと思う?」

「それは…」

「絶対に言わないから。私は…フェイトを独りぼっちにしないよ?あの日に言ったよね」



あの日…ジュエルシード事件でカノンの言ってくれた言葉

私を独りぼっちにしない…

その言葉に私はとても救われて…カノンの事を好きになった



「なんなら、もう一度約束するよ?私はフェイトを独りぼっちにしないし、この手は離さないから」

「うん…私も、カノンの手は離さないよ」




嫉妬して…


不安になって


そしてまた誓おう





Fin





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