歌姫の歌

□寒い夜は一緒に(奈々)
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「あ〜寒かった」

「本当ですねぇ」



お仕事を終えてやってきた愛する奈々ちゃんのお家

もう12月と言うことで一気に気温も下がってマフラーや手袋が必須になった



「でも、咲耶さんの手の温もりで私は大丈夫でした!」

「ホント、急にコートのポケットに手突っ込んできてびっくりしたんだからね〜?」

「あぅ…だって咲耶さんと手、つなぎたかったんです…」



そう言って奈々ちゃんはしょぼんとした

いや、別に怒ってるるわけじゃないのになんでしょんぼりするかな



「別に手をつなぎたかったらいいなよ。私、拒むつもりないし」

「じゃ、じゃあ!今度は言いますから!」

「うん、よろしい」



怒ってるわけじゃないのがわかったのか、奈々ちゃんは笑顔で頷いた

ホント、ころころよく表情変わるよね

そんな奈々ちゃんが可愛くてよくゆかりんに惚気て、このバカップルって呆れながら怒られるけど



「わんっ!」

「けぇたんただいまぁ〜!」



けぇたんが一声鳴けば奈々ちゃんは親バカ全開で走って行った

ちょ、恋人と愛犬とどっちが大事なのさ!?といいたいけどそこはもう慣れたもの

なので私もダイニングに行く事に



「あぁ、もう!けぇたん可愛いなぁ〜!!」

「わふぅ…」

「奈々ちゃん、けぇたん欠伸して無関心だけど?」

「そ、そんな事ないです!けぇたん、ほら!」



必死にボールでけぇたんの気を引こうとする奈々ちゃん

でもけぇたんはそんな飼い主に目もくれないで真っ先に愛用クッションの上へ



「ぐすっ…」

「奈々ちゃん、ドンマイ」



けぇたんに相手にされなくて半泣きな奈々ちゃんを何とか慰める

本当に…けぇたん、自由すぎ






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