歌姫の歌

□Lovely Fruit(奈々)
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「奈々ちゃん、ん…」

「え、えっと…」



久しぶりに咲耶さんのお家にやって来た私、水樹

なんですが、いきなり差し出されたのはとある衣装

と言うかそれは見たことがある…それもごく最近



「あの、咲耶さん…なんでLovely Fruitの衣装があるんでしょう…?」

「なんでって、奈々ちゃんが着るからに決まってんじゃん。そのためにみっしーから借りてきたんだし」

「えぇ!?」



まさかの三嶋さんが許可をしているとは思わなかった

というか、いい笑顔で貸し出したであろう三島さんが想像できる…



「ほら、さっさと着て」

「あぅ…着なきゃダメですか…?」

「ダメ」

「はぅ…」



どうやら逃げ道はないみたいです…








「咲耶さ〜ん…着替えましたけど…」

「おいでおいで〜」



手招きをする咲耶さんに逆らえず、渋々出て行く

あぁ、まさか好きな人の前でこの衣装を着る事になるなんて

いや、見て欲しいとは思うけど



「そ、それで…私は何をすればいいんでしょう?」

「ん?何もしなくていいよ?」

「へ?」

「だから、何もしなくていいの。私の傍にいてくれるだけでいいの」




そう言って咲耶さんは自分の膝の上を叩いた

えっと、つまりこれは咲耶さんの膝の上に座れと言う事だろうか…

しばらく呆けているとむすっとした顔でまた膝を叩いていたから、急いで座れということらしい

なので咲耶さんの膝の上に座ることにした





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