短編集
□剣と剣
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「カノン」
「ん〜?」
ポリポリと口にスティック菓子を含んだまま私を見るカノン
彼女は私と同じ防人であり、私の少ない友人だ
「翼、何かむぐむぐ…用事〜?」
「はぁ…。とりあえず、その口の中のポッキーを食べきって。食べながら話すのは礼儀としてはなっていない」
「んぐ………はぁ、相変わらず堅物だねぇ」
立花も吃驚の速度で口に含んでいたスティック菓子を食べきったカノン
相変わらずのマイペースを崩さないカノンに私は毎日溜息を吐いているかもしれない
だが、それでも彼女の事を嫌いになれないのは…カノンとの付き合いが長いからかもしれない
「もうすぐ休み時間も終わるから、呼びに来ただけ。下手をすれば、カノンはずっと授業に出ないから」
「あ〜それはありがと。でもさ、まだ時間あるんだけど?」
「それは…」
カノンの言うとおり、正確には休み時間が終わるにはまだ少しだけ時間がある
なぜ私が時間を早めてまでカノンを呼びに来たのか…
「もしや翼さんや…一緒にいる時間を長く取ろうとしましたな?」
「なっ!?」
そう…教室では小さい頃から同じクラスで隣同士で過ごしてきて…いつの間にか、カノンの事を好きになっていた
だからか、カノンを探す度に…私は密かに時間を早めて行っていた
だが、それはどうやらカノンにはばれていたようだ
「まぁ、翼も座りなって」
「えっ、ちょ…っ!?」
そうして思考していた私はカノンに手を引かれ、彼女の隣に腰を下ろす形になっていた
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