短編集

□嫉妬と約束
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「カノンー。ちょっといいー?」

「ん〜?なにー?」



あぁ、まただ

今日も私の恋人のカノンはクラスメイトに人気だ

それを自分の机から見ながら、私は胸がズキッと痛む



「フェイトちゃん、大丈夫?」

「なのは…うん」



私の傍にやってきた親友のなのはが心配そうに私に訊いてくる

その事に私は小さく頷いた

とはいえ、私の胸の痛みは消えてくれない



「カノンちゃんが人気なのはずっと昔からだけど、最近はちょっと多いね」

「うん…」

「でも、カノンちゃんはフェイトちゃんしか見てないから心配ないと思うけど。…ほら」



そう言いながらなのはが教室の入り口を指差した

そこには手を上げて教室に戻ってくるカノンの姿があった



「ほらね。すぐ戻ってきた」

「うん…」



とはいえ、やっぱり私の胸の痛みは消えてくれない

カノンがいつか私以外の誰かを好きになるんじゃないか、とか…

母さんみたいなことを言われたらどうしよう…なんてネガティブな考えばかり浮かんでくる

そうしていれば…



「はぅ!?」

「もう、フェイトちゃん」



ビシッと額にきた痛み

額を押さえて顔をあげれば、目の前にはデコピンをしているなのはがいた



「そんなに心配なら、今日一緒に帰ったらいいでしょ」

「え、で、でも…」

「もう!ちょっと待ってて!」



私の声に声をあげたなのははそのままカノンの方へと向かっていく

そのままカノンに何かを話して戻ってくる



「カノンちゃん、一緒に帰るのOKだって」

「うぅ…」



私の意見はどうやら無視されてしまったようです






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