短編集

□欠乏症
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「…は?なのはが?」

「はい、そうなんですよ〜」



数ヶ月に及ぶ長期出張が終わり、本局に帰って来た私、カノン

帰って来たのはいいが、何故か特別捜査官の子狸…もとい、二歳年下で幼馴染でもあるはやてに通信で呼び出された

こっちは帰ってゆっくりしたいのに、なんて思いながらはやてに私の執務室に来るように伝えた

そしてやってきたはやてから聞いたのは私の恋人のなのはの事で…



「最近ボーっとしてる事が多いというか、教導中にも集中力散漫と言うか…」

「それで、私になんとかして欲しい…って事?」

「はい」



どうやら最近の私の恋人は注意力散漫と言うかそんな状態らしい

教導でも加減を間違えている事がしばしばあるらしく…

この間は訓練室の壁やドアが半壊していたとはやては言う

いやいや…加減を間違えて訓練室やドアが半壊ってどういうことよ…?

今一信じられないのだが…



「まぁ、直接カノンさんに見てもらった方が早いかもしれへんですね。今日はなのはちゃん、本局の中で教導みたいですから」

「ふーん…なら、はやても付き合ってもらうよ?」

「え゛…わ、私もですか…?」

「当然」



私の言葉を聞いて嫌な顔をしたはやて

明らかに私に丸投げして逃げるつもりだったようだが、そうは問屋が卸しません

冷や汗をかいているはやての襟首を掴み、引き摺りながら執務室を後にする



「い、嫌や!私はまだ死にたくなんてないんやー!!」

「いやいや、死ぬとか大袈裟な…」

「カノンさんはあの状態のなのはちゃんを知らんからそんなこと言えるんやー!!」

「はいはい、さっさといくよー…」



その日、夜天の主が敏腕執務官に引き摺られている姿を見た局員が大勢いたとか






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