短編集

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「あの…マスター?」

「ん〜?」



私のマスターはとても良い人です

ボーカロイドである私の為にいろいろな曲を作ってくれます

ボーカロイドとして嬉しい事はないんです

でも今日は私をマスターの膝の上に乗せて、ずっと私の頭を撫でてます



「あの…どうして頭を撫でてるんです?」

「ん〜ミクは嫌?」

「いえ、嫌と言うわけじゃ…ないです」



どうして撫でているのかを訊いてみても、マスターから逆に質問されてしまいました

私としては嫌ではなくて…むしろ嬉しいというか…

わ、私…何言ってるんだろう…!?



「ミク?おーい、ミク〜」

「は、はひ!?」

「ぷっ…」



いろいろ考えていてマスターに呼ばれている事に気づかず…

それに気づいた時はマスターが顔を近づけていて…思わず変な声が…

しかもそれを聞いて笑っているマスター…



「ま、マスター!笑うなんてヒドイですよ〜!」

「だ、だってミクが百面相して一気に顔真っ赤になるんだから笑いもするよ?」

「うぅ〜…」



た、確かに百面相をしていたかもしれないけど…その原因はマスターにあるというか…

でも…いろいろ考えていた私にも問題はある…のかな?



「ごめんごめん。そんな涙目で見ないでってば」

「マスターの所為ですもん…」

「うん、笑っちゃったのは私だからそれは反省してます」



そう言いながらマスターは笑って私の頭をまた撫でる

そんなマスターの服を私も思わずギュッと握った



「ミク。今日は何月何日でしょう」

「はい、3月9日ですけど…」

「はい、そうです。3と9でミクの日です。なので…今日はミクをとことん可愛がります!」

「はわわ!?」



そう言ってぎゅっと私を抱き締めるマスター

その事にまたわたわたしてしまう私



「ミク」

「は、はい」

「これからもよろしくね!」

「はい、マスター!」






Fin



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