短編集2
□安らぎを
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「えっと・・・・」
「・・・・」
どうしたものかと考える。
何故か自分に与えられた部屋にいたのは我がカルデアのマスターである立香が召喚したアルターエゴクラスのサーヴァント、メルトリリスの姿があった。
まぁそれはいいとしよう。ここにはまだかなりのサーヴァントがいるわけだから、仲のいい数人は遊びに来るわけで。
そんな中、滅多に接点のない彼女が来たことが不思議でならない
「メ、メルトさん?」
「・・・・なによ」
「いえ、何用で私の部屋の来たのかなぁと」
正直な話、メルトリリスは私の部屋にやってくるサーヴァントたち・・・・主に子供系のサーヴァントに比べれば特に来るような感じではない。
正確には私の部屋に来るサーヴァントたちは主に遊びに来ているわけだけど・・・・。
「いいから・・・・座りなさいよ・・・・」
「へ?」
「座りなさい!」
「は、はいっ!」
唐突に怒鳴られ、大人しく従うことにした。
相手はサーヴァント、私はごく普通の人間・・・・勝てるわけがない。
だからすぐにマイルームに設置されているベッドに腰を下ろした。
そうしていれば・・・・
「・・・・失礼するわ」
「えっ・・・・えぇ!?」
まさかのメルトリリスが私の膝の上に頭を乗せて寝転がった。
つまり、俗に言う膝枕なわけで・・・・。
一体何がどうなったんだろうか、という。
「やっぱり・・・・安心するわね・・・・」
「えっと・・・・メルトリリス、さん?」
「黙ってて」
「は、はい・・・・ι」
何かぽつりと呟いたメルトリリスに声をかけるものの、即黙ってと言われてしまう。
だから彼女がどうしてこんな行動をしているのかわからない。
「(貴女は覚えてないでしょうね・・・・。それもそう・・・・。向こうでの貴女と貴女は違う。月の裏側で・・・・私の、マスターだった貴女とは。でも、ここの安心感は変わらない。世界が違っても・・・・)貴女は・・・・」
「は、はい・・・・」
「・・・・何でもないわ。もう少し、こうさせて」
そう言いながらメルトリリスは目を閉じて静かに寝息を立て始めた。
サーヴァントは眠ることは無いはずだけど・・・・安心したように眠るメルトリリス。
そんなメルトリリスの髪を優しく撫でることにした。
(ねぇ・・・・月の世界でマスターだった私の葵・・・・。ここでも貴女に会えたわ・・・・。覚えていないけれど・・・・私にはそれで十分。だって、こんな安らげる場所ができたんだもの)
Fin
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