翼持ちて奏でる剣と魔法の舞

□無印編
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「フェイトちゃんがふたりと話したいって」

「うん」

「分かった」



なのははそう刹那と翼に言ってクロノたちのほうへと向って走っていく。
どうやら交代と言う事のようだった。
そのまま静かに刹那と翼はフェイトと向き合う。



「さて…もう既に名乗ってはいるが…風鳴刹那だ」

「風鳴翼だよ」

「うん。刹那、翼」



既に一度自己紹介はした刹那と翼だったが、フェイトが前に進む事を決めたというのならば改めて自己紹介を、と言うことで自己紹介をする事に。
その事にフェイトも改めて二人の名を呼んだ。



「刹那、翼…ありがとう」

「何が?」

「母さんに大嫌いって言われた後、刹那と翼が言ってくれた言葉。…前を向いて進むか、立ち止まるかを決めるのはわたし自身だって。あの言葉…闇の中でもちゃんと聞こえたよ」

「そうか…。フェイト、ちゃんと進むんだ、君の道を」

「何かあれば、わたしや刹那も相談に乗るから」

「うん」



ポンっとフェイトの頭に手を置いた刹那はそのままフェイトの頭を撫でる。
そうすればフェイトは擽ったそうに目を閉じる。
そして…



「時間だ。そろそろいいか?」

「うん」

「フェイトちゃん!」



時間だと近づいてきたクロノが告げる。
そんなクロノと共にやってきたなのはは自分が使っていたリボンを解いていた。
そしてそのリボンをそっとフェイトへとそっと差し出した。



「思い出に出来るもの、こんなものしかないんだけど…」

「じゃあ、わたしも…」



思い出に出来る物と自分の使っていた一番大切なリボンをフェイトへのプレゼントとして差し出したなのは。
その事にフェイトも自分の使っていたリボンを解き、フェイトもなのはへと差し出した。
お互いのリボンの交換…。
それをお互いにリボンを持っている手とは反対の手でお互いの手に乗せた。



「ありがとう、なのは」

「うん…フェイトちゃん」

「きっとまた…」

「うん!きっとまた…」



交わされるのはまた会う約束。
その約束を紡ぎ、お互いのリボンを交換した
再会の約束と共に



「んっ」

「ありがとう。アルフさんも元気でね?」

「アルフも元気で」

「あぁ。いろいろありがとね、なのは、刹那、翼、ユーノ」

「それじゃあ、僕も」

「あぁ。クロノ、また会おう」

「あぁ」



それぞれ別れの挨拶を済ませば、フェイトとクロノ、アルフの足下に転移用の魔法陣が現れる。
それは別れの時間となった証だった。



「ばいばい…。またね…。クロノくん…アルフさん…フェイトちゃん」

「……」

「ぁ!」



別れ際、手を振るフェイトになのはも手を振って見送る。
刹那と翼も手を振って三人を見送った。
きっとまた会えるように。
そして…三人の足下の魔法陣が輝けば…フェイトたち三人はアースラへと帰還していた。



「……」

「なのは」

「うん!」

「さて…私たちも戻ろう、翼」

「うん」

「刹那君、翼ちゃん…またね!」

「また会おう、なのは」

「わたしたちもこっちに遊びに来るから、二人も遊びに来てね」



刹那と翼も…なのはもそれぞれの生活へと戻る。
またいつか…再会できる事を事を信じて




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