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□新星ルーキー
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「…いい女だ。」
『?!...え...あの..そういうキャラだった?』
「…俺が手入れしておいた。」

そう言って差し出されたのはレイラのダガーだ

受け取ると、柄にゴツゴツとした違和感が…

見ると黒く光る石が、ぐるりと一周巻き付いていた

「勝手な真似して悪かったな…。だが、握ってみろ」

『あ…手に馴染む…指が引っかかって力が逃げない...!』
「不器用なだけじゃないのが分かったか?」
『?!』

レイラはキラーのあの不器用な処置を思い出し、吹き出した

『不器用だなんて言ってごめんね...
大切にする...』

いきなり腕を掴まれ、そのままキラーに抱き寄せられた

「…レイラ…すまない。」
『…どうして
...謝るの?』

「…気紛れに助けて、気紛れに降ろして…お前…あの時俺等に助けられて…良かったのか?」
『……。』
「…」
『私....キッドの船に助けられて、本当に良かった...
海軍に捕まっていたかもしれないし、のたれ死んでいたかもしれない…』

『あの時は絶望しか見えなかったけど…
生きてるから、キッドと...キラー...貴方に会えた
…本当に感謝してる。』

「…。」

『もし何処かで再会出来たら...またワイルド・サーキーを飲む気になるかもしれない』
「口に合わなかったか?」
『合わなかった』
「....最後まで恩知らずな奴だ」

吹き出しながらも、キラーはゆっくりとレイラを離した

『.....またね。
キッドにも宜しく伝えて』

レイラはキッドの船を背に歩き出した

…最後まで姿を見せなかったレイラに

想いを馳せながら...
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