雪紫蝶
□5話
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まだ痺れの引かない身体に苛立ちを覚えつつも、救ってくれたサクラに感謝した
サクラ来なかったら死んでいたかもしれない
《…まだ…死ねない》
やらなければならない事がある
《イタチ…サスケ…今何処に居て…何を思う?》
「悪い…」
不意に掛けられた一言に、思考を現実に戻す
見るとカンクロウがよろよろとこちらに歩いて来た
「ハァ…ハァ…」
カンクロウは零羅が横になっているベッドに両手をつき、肩で息をしている
『…無理して動いちゃ駄目よ。苦しいなら横になって。あたし座るから。』
するとカンクロウは素直に横になった…余程苦しかったんだろう
「悪いな…。」
『いいえ。』
「…一目見た時からずっと考えていた。…アンタを見たことがあるんだ…子供の頃…此処で。」
『…。』
カンクロウは淡々と話し出す
「雪紫一族代表…雪紫京架。その一人娘…雪紫零羅。…間違いないな?」
『…。』
零羅は否定も肯定もせず、窓の外を眺めている
「…よく代表と此処に来た…。俺ら3人と…いや、ほとんど我愛羅と…遊んでくれた…あの零羅…なのか?」
『……成長したな…カンクロウ。』
その一言に、カンクロウは瞳に涙を浮かべ、俯いた
零羅は静かに窓の外を見つめていた