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□再会
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レイラ達のやりとりを横目で見ていたペンギンは、呆れた溜息をつきながらも、その頬は緩んでいる
安堵、羨望、嫉妬...そんな複雑なペンギンの心境は誰も知る由がない
「レイラ…それが気に入ったか?」
ペンギンが訪ねるとレイラは指を指しているフォア・モーゼスの瓶に目をやり、微笑を浮かべる
『..カマロが好きで。
あの船でほぼ毎日晩酌付き合わされてたから...
何時の間にか私も好きになってた』
カマロの名が飛び出した瞬間、不味い話題を振ってしまったと凍り付いたペンギンだが、
レイラは終始穏やかに話していた
〈...乗り越えられたか〉
胸を撫で下ろすペンギンは、自らが飲んでいる酒瓶を引き寄せる
「分かって無ェな。
これこそ至高の酒だ!
カティ・ザーク覚えとけ」
『はいはい』
「な?!お前...毎日付き合わせてこの味叩き込んでやろうか?」
『やめて!毎日酒臭い女なんて嫌』
「?今と変わん無ェだろ」
『え?』
「違い無ェ!」
『嘘....控えよ....』
「無理無理!!俺も休肝日を作ろうとしたんだがまァーできねェもんだな!」
「お前は無理だろ!」
するとレイラの持つグラスにコツンと何かがぶつかった
休肝日で盛り上がるクルー達から視線を移すと、ローの空のグラスだった