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□新星ルーキー
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飛び起きる様に目を覚まし、小窓から太陽の位置を測る
太陽は真上に登っていた
必然的に今、大体正午頃である事が推測できる
《.....寝過ごした...》
ベッドから出ようと身体を起こそうとした時、キラーが入ってきた
「…やっと起きたか」
『…ん…ごめん』
「…これを着て甲板に来い」
そう言うと紙袋を差し出してきた
『...?』
中を見ると服が入っていた
「…流石にそれでは街歩けないだろうからな」
鼻で笑うとキラーは静かに部屋を後にした
《.....可愛い》
サイズはなぜかピッタリだった
大きなフードは顔をあまり出さない為の配慮だろう…
服を着替え、部屋を片付けた
そして扉を開け振り返り…部屋を見回す
もう二度と...
戻る事は無い
昨日のキッドの瞳を思い出し、堪らない切なさが溢れるも掻き消し
静かに扉を閉め、
いつもキッドに連れられて歩いた長い廊下を1人、歩く
いつかの満天の星空では無く
照りつけるような陽射しが待ち受けていた