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□変化
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キッドは苦しそうに肩で息をしていて、いつもの殺気を滲ませている瞳は堅く閉じられていた
意識はある
《致命傷は胸のこの傷か…縫わなきゃいけないな》
その胸の傷は深く広範囲に渡り、出血がとにかく酷く、急性ショック状態に今陥っても可笑しくは無い状態だった
「レイラ姉さん頭をお願いします!助けてください!お願いします!!」
初めて見るキッドのクルー達は、必死にキッドを救おうと見ず知らずの訳の分からない女に頭を下げている
《...慕われてるのね》
『...大丈夫』
そうクルー達に声を掛けると、苦痛に顔を歪めるキッドに向き直る