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□居候
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ーーー目を薄っすらと開ける
...長い間目を閉じていた為、あまりの眩しさに目と頭が痛んだ
『……うっ…』
「まだ目は開けるな…」
『?!?!』
聞いた事のない男の声がした
レイラは瞬時に身体を強張らせ、その鼓動は破れそうな程速く深くなっている
《あそこに戻されるのだけは.......!!》
押し殺していた記憶の断片が、何の脈絡も無くフラッシュバックしていく...
《嫌.....もう....やめて....》
意を決し、血反吐を吐く思いで微かに言葉を紡ぎ出した
『ここは…』
と言うと船室特有の木が軋む音と、波の音が聞こえた
『海軍の船…...?』
この船は今動いている
───逃げられない
沈黙が更に恐怖を煽り、今にも発狂してしまいそうな自分を必死に抑えていた
「…いや。海軍ではない。」
『!!.....はぁ...はぁ...』
悪夢に魘され、目覚めた様に呼吸を整える
目が慣れてきた
ゆっくりと声の方を向き
瞳を開いていく…