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□オタズネモノ
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「おいレイラ」
『…何?』
海図を書く手は止めずに声だけで返事をすると、一瞬シンとなり
船体の軋む音と、波の音だけが聞こえた
昨日から海は穏やかだ
次の島の気候区域に入った証拠だろう
食料やら何やら買わなければならない物のリスト作成に頭を悩ませる
何せ島に上陸するのは一ヶ月振りだ
食料や酒、備品の枯渇と共にピリピリとするクルー達の空気に耐えかねている所に
やっと島へ近付いたという安堵の溜息が漏れる
《今回の航海は長かった…少し陸でゆっくり休みたい…》
まだ見ぬ島へ想いを馳せているレイラへと
また掛けられる声