Short(JOGIO)
□Rispetto? O....
1ページ/2ページ
……ガキのころから、おれはかなり荒れていた。
親が共働きで、かつ能力のせいでかなり疎まれてたのもあったかもしれねえ。
気に入らねえ奴はすぐにボコした。能力のおかげで怖いものなんか何もなかった。
あの時だってそうだ。
バールで一人気持ちよく飲んでたところを話しかけられたから、キレて"表に出ろ"と言った。
すぐに片付くと思っていた。
だがアイツは……おれと同じような能力を使ってきた。
すげえ驚いた。
しかも、パワー任せに使ってるおれとは違い、それを完璧に使いこなした。
負けた。初めて死を覚悟した。
ところがアイツは、それまでの氷のような表情から一変、とても穏やかな笑顔を浮かべた。
「暇があるのなら、来るといい。みな、お前を気に入るだろう」
そう言っておれに手を差しのべる。
つれて行かれたところには、おれやアイツと同じ力を持っている奴らばかり、んで、変な奴らで……気のいい連中だった。
ムカつく時もあったが、楽しかった。
普段無表情なアンタが笑うと、おれも嬉しかった。
一人、また一人と仲間が消えていくたびに、アンタは表には出さなかったが、辛ェのが痛いほど伝わってきた。
「アンタの憂い、おれがブチ割ってやる」
勇んで飛び出した。キツいから、アンタの顔は見なかった。
……なあリーダー、今更だけどよ。
『あん時アンタの手を握っておくべきだったぜ』