valuable you
□Vol.2
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「おっとやぁ〜。残念でした。愛子の親友歴10年のあたしに、あんたが勝てっこなかったのよ」
「ほ、ほんとに俺の事知らない?」
「ご、ごめんなさい」
わたしがそういうと、一十木君はガクッと項垂れた。
今にも、効果音でシュンッて聞こえてきそう。
なんか、悪いことしちゃった・・・?
「まぁ、愛子の芸能人知らなさすぎ病は今に始まったことじゃないから」
「え?一十木くん、芸能人なの?」
「一応ね」
へへっ、と笑うけどさっきみたいな元気が全然ない。
「ごめんなさい、わたし全然芸能界とかに興味がなくて」
「でも、HAYATOのCDは持ってるのよね」
「うっそ。トキヤの?」
トキヤ?
首をかしげると、「まぁ、その話はまた今度でいいでしょ」と、莉子は言った。
「で、でも莉子。どうして、芸能人の知り合いがいるの?」
「音也とはね、施設が同じだったのよ。同い年だったし。まぁ、学校は全部違ったけど」
へぇ。
そうだったんだ。
「で、音也。トキヤくんの画像頂戴ね」
「うん・・・。あぁ!!もうっ。またトキヤに怒られるよ〜」
唇を尖らせる一十木くん。
あ、少しかわいい。