valuable you
□Vol.2
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「ごめんごめん。で、愛子。この顔どこかで見たことはないかね?」
「え、ごめん。全然見えない」
眼鏡曇ってて。
「もう、眼鏡外せばいいのにっ!」
「それは、無理」
外したら、余計に見えなくなるし。
わたしは、眼鏡が見える状態になるまで待って、彼の顔を見た。
ん〜。
わかんない、な。
しかも、こんな真っ赤な髪の毛だったら印象に残るはずなんだけど。
「ごめんなさい。どこかで、お会いしました?」
わたしは、そういった瞬間一十木君の顔が固まった。
そんな、彼の顔を見て莉子は苦笑いをした。