ー夢ー
□水・神照
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「だいぶ暗くなってきたのう...」
ここは神獣ばかりが息を潜める神世界。
とうの昔、竜がこの世界を統治していた頃に栄えた都市ーーーシルラ。
そこの廃墟となった塔の隣にある
おんぼろな橋に一人の男がたたずんでいた
「流石に寒いの...あやつまた忘れておるのか...まったく...」
どこか抜けたような声は癖があり
しかし心地よい響きだった
白い息を吐き出しながらその男は半分落ちかかった首巻をもとに戻した。
「よお...そこのおにい〜さん
こ〜んな真夜中に一人歩きなんざ
たちの悪い奴らに身ぐるみはがされちまうぜえ〜?」
「ひっ....ヒッヒッヒッ.....」
ぞろぞろと体格の良い男たちが闇の中から現れた
囲まれた男は焦った様子もなく、いかにもたちの悪そうな集団をじっとりと眺めた
「......ざっと30人くらいかのー..
ふむ...バンパイアと..狼男と..お?
そちは死神の亜人か!これはこれは珍しい」
「なんだ?てめぇ自分の立場わかってんのか?あ?!」
「....やっちまえ」
スゥーーーー....
男の回りに風が巻きおこる
それにあわせてパタパタと襟巻きが踊る
「フフフフ...悪魔どもが小賢しい....
竜人に手をあげようとするか.....、
.....死以上の恐怖を味あわせてやろうぞ」
「ギャーーーッ!」