ー夢ー

□見てないフリ
1ページ/2ページ



今日は早めに任務が片付いたので

深手を追ったアレンを見舞いにきたのだが

思ったより体力を消耗していたみたいだ



ギシッとベットが軋んだ音でいの意識は浅いまどろみから浮上した


「アレ、ン?」


「起きた...?あーやばっ監査官のベットで寝ちゃってたんだ...」


むくりと起き上がってへらりと笑うい

「監査官に知られないようにしないと....!
あっ!熱どう?」


「.............い?」


「い
起きたのなら出てきたまえッ!!!」


部屋の外から監査官の怒気をふくんだ声がかけられる

「ゲ、バレてる....」

ガチャリと開けたドアの向こうにはリンクが震えて立っていた

「なにしてんのリンク?」

「え?もしかしてずっと廊下で!?」



「いくら私でも婦女があられもなく寝た空間で仕事ができるかーーーーー!!!」

「婦女って...(汗」


生真面目というか紳士すぎるというか...


「今度私の仕事を妨害したら訴えるぞ
い!」


「そうだよい。
ラビだったら襲われてましたよ」





「................わけない」

「え?」

「そんな訳ないでしょ〜
ラビはリナリーにゾッコンだからね」




あははーと誤魔化すように笑ったいの目には諦めにも似た悲しい光が宿っていたのをアレンは見逃さなかった




「リンクもキンキン叫ばないでくださいよ
頭いたいっ」



しん...となった空気を破るようにアレンは扉をガチャンと閉める


扉の向こうからドンドンとドアを叩く音とリンクの罵声が聞こえる


「あははっ...!」

思わず、笑ってしまった


「大丈夫?い?」

アレンがこっちを向いて心配そうに聞いてきた

「え?」

「いえ...なんでもないです」ニコッ

「..........?」






「....わかりました
キミがそのつもりならいと密室で二人きりだと神田ユウに言ってきます」


底冷えするような声が扉の向こうから聞こえた
どうやら本気らしい

ごめんリンクッ!と慌てて後を追ったアレンにまた笑みを作り、部屋に戻るため廊下に出た
にしてもなんで神田なんだろう?




皆が寝ているだろうからと(科学班以外)足音を忍ばせて歩きながらいは深いため息をついた


薄暗くて寒々しい廊下にやけに響く




頭にちらつくアレンの言葉。


ーラビだったら襲われてましたよ..?ー



ほんとにそうだったらいいのに


ラビが自分の事を好きだったらよかったのに


ならこんな気持ちしなくていいのに





目頭が熱くなる


必死に泣くまいと天上を見て下唇を噛みながら歩く


リナリーは強い
心も体も
それにすっごく可愛し、コーヒーをいれるのがとっても上手だし、
それに優しい

あたしが此処に入ってなかなか馴染めなかったとき、手を引いて皆の輪に連れていってくれて馴染めるようになったのは他でもないリナリーのおかげたし
辛い事があったときもたくさん相談を聞いてくれて...





そんなリナリーをあたしは....っ







カツカツカツと天井を見て歩いていたらどうやら自分の部屋を通り過ぎたみたいだ


「もっ....なにやってんだか...」



フッと失笑して今きた道を戻ろうとした時、急に横の扉が開いて
ものすごい力で引っ張られた


「いやっーー!??」



ボスリとなにか暖かいものに包まれた
それと同時にサラサラとしたものが顔にかかる

「なんでこんな遅くにほっつき歩いていやがる」

頭上で聞きなれた声がした


「神田、?」


顔をあげると間近に神田の顔があって
おろした黒髪がその美形を引き立たせていた



思わずうっとりと見とれてしまった




.....キレイ



急に我にかえってバッと視線をそらす

それと同時に今の状況が頭の中に入ってきた


え?抱きしめられて....?


「○▲×☆■〜〜っ!!」


バッと離れる
心臓がバクバクとうるさい





え?神田ってこんなキャラだった?!
熱?!それとも酔っぱらってる!?


しかしそんな事を言ったら六幻でたたき斬られそうで言えない..






「....泣いてたのか」




「えぇ?!...ほ、ほら!あ、あああ欠伸してて」

はぁ〜眠いなあと口に手をあてる





「.............。」



「...........................。」





(や、やばいよ!絶対ばれてるよっ...冷汗)

流石に長い沈黙に耐えきれなくなって
いが言葉を発しようとした時







「無理すんな」

「...............!?」





一瞬、頭が真っ白になった



みるみるうちに目に涙が溢れる

止まれ止まれって思うけど


我慢できなかった、



「ふぅ…う...うぅ....あぁっ.....ひっ、」



ひゅうひゅうと喉がなる


がしりと体が固いものに包まれて

「 ......大丈夫だ」

と耳元で神田のちょっと戸惑った声がした


こういうこと慣れないんだろうな

後ろにまわされた手がガシガシとさすってくれるけど
ちょっと痛い




でも暖かくて
あぁ...こういうのもいいな






今日の神田はやっぱおかしいなと頭の隅に思いながら

徐々に重くなってくる瞼に耐えきれず意識を手放した












「.....寝やがった」

寝息をたて始めたいに顔をしかめながら神田はガシッといを持ち上げた



ゆっくりとベットにおろしながら

寝顔を眺める




隙だらけだ...本当に

俺の気も知らないで

「なんでバカ兎なんだよっ...」


ぐっと顔を歪めていの上に跨がる


ここで犯してしまおうか



いっその事、今無茶苦茶に犯して、俺しか見れないようにしようか
あんな馬鹿兎なんて忘れるくらい俺に溺れさせようか



さっきもお前が泣いている時危うくベットに押し倒しそうになったんだぜ



「もう.....いい加減気づけよ」




少しはだけた任務服から白い鎖骨が覗く

思わず頭が真っ白になる


「んぅ.....」


知らず知らずの内にいの鎖骨に紅く熟れた印をつけてしまっていた



あぁ....もう俺は.....


















部屋に響くプチっプチっという音


手際よくはだけさせた隊服の間から覗く白い肌



徐々に脱がせていきながら首筋を舐めあげる

「んっ........ぅ」



鼻についた声にまた欲情する


「お前が悪いんだぞ.....」

(もう起きても止めてなんかやらねェ
泣こうが叫ぼうが俺は止まんねェーから、な...)



小声でそう呟いて紅くて熟れた唇に顔を近づけた




「ら、び.......」



「!!!」




互いの顔が数センチというところで

いの口から呟かれたアイツの名前






「くそ.....っ!!!」





いの上から退いて壁に背中をつける




知ってたんだ...俺は

アイツはいの事が...









バタン...


背後で聞きなれた扉の閉まる音がする




大事なもん見失う所だった
悪かったない.....












次の日の早朝、神田は誰にも言わずに任務に出掛けたという
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ