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□クラムチャウダー
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---クラムチャウダー-----


KyuHyun×RyeoWook...




「キュヒョナはさ、食べるものに気遣わなさすぎだと思うんだよね」
「そんなことないと思うけど・・・」
「食事の話だよ? 飲んでる時のつまみじゃなくて」
「・・・俺にとってはワインが主役だからなぁ」
「そんなこと言って・・・体壊してからじゃ遅いんだからね?」
「うーん」

トントントン。
小気味よくリズミカルに包丁が音を立てる。
キッチンに立つリョウクが、オンマみたいなことを言いながら食材と戦っている。

「スープならいいでしょ? もう寒いし」
「なんでもいいよ」
その手から生み出されるものならなんだって。

帰宅するなり顔色悪い!!と指を刺されて、部屋に篭るのを阻止された。
確かに今日はろくなものを食べていないけど。
半ば強引にダイニングに座らされて、常備野菜を切り出したリョウクをぼんやり見ている。

リョウクはもちろんヒョンたちにも料理を作るけど。
こうやって叱りながらなのは俺にだけだ。

可愛い恋人のそんな行動がなにげに嬉しい。
嬉しくなると触りたくなる俺は、ダイニングでじっとしてるのがもったいなくなってきた。
冷蔵庫の飲み物を取るふりをして、近づいてみる。

「俺好みにしてよ」
「白ワイン入れたからいいでしょ?」
「うん・・・。それなら、いい」
「ん、こら・・・くすぐったい」

後ろから抱きしめると、俺の腕にすっぽりと収まってしまう。
小柄な彼の、髪の匂いをこうやって嗅ぐのが好きだ。
そうしているとちょっとだけ身じろぎした。

「・・・リョウガ」
「ん・・・、ッ!!、痛!!」
少しかがんで耳元に呼び名を吹き込んだ時・・・
リョウクが飛び上がるような動きをした。

閉じかけていた瞼を急いで開くと、見えたのは鮮やかな赤。

「・・・切った?!」
「うん、すこしだけ・・・」
人差し指の先から、一筋の血がすうっと流れる。

「治すよ」
「わあ!! ちょっとッ・・・」
俺の指が一周半してしまう細い手首をつかんで、ぱくっとその指を口に含んだ。
痛みを封じ込めたくて舌を這わせる。

「あ・・・ッ」
途端、ぴくっと肩が震えて俺はいい気になる。
リョウクが違う意味で動揺していくのを、満足して堪能した。

「きゅひょ、な、・・・ねえ、・・・ッん!」
どうしたらいいかわかんないまま呑まれていってる。
まさかこんなことされてそれが性感に繋がるなんて、思いもしないんだろう。
できるだけ余韻が残るように舐め上げると、耐えるように唇を噛んだ。

「先に、食べたいものが出来た」
カチ・・・
リョウクの体越しに、コンロの火を止める。
はっとしたように俺を見上げるその両眼。
すこしだけ期待の色が滲んでいるのがわかる。

そのスープよりとろとろに、蕩けさせてあげる。

「・・・食べたら、いいんじゃない?」
優しい歌をうたうみたいに、リョウクは呟いた。



---End----




脇役以外で書くのは初のキュウクですううう!!
マンネコンビの同級生感が大好物なんだ^^

ぎゅーちゃんにタメ口で喋ってもらうのが、なんだか新鮮でしたwww

クラムチャウダー、こないだ作ったら美味しかったのでネタにさせてもらいました。
韓国は今年も寒そうなので、本人様達にもあったかくしてすごしてもらいたいですね!!


2012.12.07

 

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