銀魂部屋

□朧月
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気がつくと、足元には乾いた目玉が転がっていた。

「っ、?」

「ば、化け物!」

聞きなれない言葉を聞きなれた声が生み出す。
ふと我に返って後ろを振り返る。
あれは―・・・俺をよく罵った女の声だった。
それ以外にも、俺を見る視線。
その瞳にはどれも恐怖が浮かんでいた。
・・・・・為五郎兄さん?
為五郎兄さんは何処だろう。
為五郎兄さんは俺にそんな目を向けない・・・おびえたり、侮蔑に染まった眼を俺に向けない。
視線を少しずらすと、そこに為五郎兄さんはいた。
でも―・・・様子がおかしい。

「為五郎兄さ・・・っ!」

瞳が―・・・ないのだ。
違う。
ないのではない。
壊されたのだ。
それで―・・・俺は。

「あ、あぁあああああああああ!!!」

そうだ、俺のせいで!
俺をかばって為五郎兄さんは!
そう自覚をするとともに、思わず走り出していた。
だって、ここにはもう俺の居場所はないのだ。
唯一許された場所を俺が壊した。
俺にむけられていた唯一の侮蔑のこもらない優しい瞳はもう―・・・ないのだ。



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