BOOKS

□こんにちは、異世界
3ページ/45ページ



「だああっ! 何やってんだよっ!?」


 俺は心の底から叫んだ。
 視線の先には人間の姿がある。
 が、何故か空から身一つで急降下している。いや、あれは間違いなく落ちてる。


「アズラス!」

「ぎゃおうっ!」


 目元までフードを下ろしつつ、鳥型ドラゴンである相棒の背にひらりと飛び乗り、そのまま空へと舞い上がった。
 いや、だってな。俺んとこの家訓が、“貰えるもんは貰っとけ。拾えるもんは拾っとけ”だからな。
 てか、目の前に人が落ちて行くのを見たら助けるのが普通じゃねぇか?
 俺には助けられる力もあるわけだし。

 ……上手くいけば、俺の抱えている問題の一つは解決できるかもしれねぇし。
 もしかしたら……いや、過程の話をしても意味ねぇか。


 と言うわけで、俺は右手を伸ばして呪文を唱えた。



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ