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□こんにちは、異世界
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「だああっ! 何やってんだよっ!?」
俺は心の底から叫んだ。
視線の先には人間の姿がある。
が、何故か空から身一つで急降下している。いや、あれは間違いなく落ちてる。
「アズラス!」
「ぎゃおうっ!」
目元までフードを下ろしつつ、鳥型ドラゴンである相棒の背にひらりと飛び乗り、そのまま空へと舞い上がった。
いや、だってな。俺んとこの家訓が、“貰えるもんは貰っとけ。拾えるもんは拾っとけ”だからな。
てか、目の前に人が落ちて行くのを見たら助けるのが普通じゃねぇか?
俺には助けられる力もあるわけだし。
……上手くいけば、俺の抱えている問題の一つは解決できるかもしれねぇし。
もしかしたら……いや、過程の話をしても意味ねぇか。
と言うわけで、俺は右手を伸ばして呪文を唱えた。
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