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「…君を遠ざけようとしたんだ。…俺は。……何故、それが解らないっ!」
金の髪は激情に震えて翡翠の瞳に悲しく映る。
「解らないっ!…解らない…っ……アスランっ!」
引き寄せる華奢な身体。
高まる感情に強い腕は細い頸に絡む。
「そうしなければ、俺は……俺はっ!
君を殺してしまうかもしれないからだ…っ!」
激情は言葉となる…
ハッと腕の中の君を窺う。
振り返る君の瞳もまた、俺の瞳を射抜く。
罪ならば
この愛が罪だというのなら…
ならば、ひと思いに…
不思議な笑みを浮かべて君は吐き捨てる。
「…殺せば良かったんだ。…お前が……私を殺してさえいれば…っ!」
「……っ…言うなっ!」
強い腕は華奢な身体を壁に押し付ける。
両腕で捕まえた身体を砕きそうな想い…
言葉も吐息も呑み込むように口づける。
「…は…あ……」
「…んっ……ふぅ…」
殺せば良かった?
殺せ…なんて
君が死を口にするなんて…
君が?
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