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□Level.11 おしろ
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十四小隊とのごたごたも収まり、一行は洞窟の更に奥へ奥へと進んでいく。

歩いていると段々明るくなっていく洞内。
やがて地上と同じくらいの明るさの広々とした空間に着いた時、洞窟の一番奥に到達したのだと知った。

「うわっ、眩しい…!」

イノリが目の上に手を翳す。
何故洞窟なのに明るいか。それは地上に繋がる出口が二つあり、洞窟がトンネル状になっていて山を突き抜けていたからだ。

「わぁ、すごーい。綺麗だ」

「ん?何だ…あんな船あったか?」

光射す地上の景色を見て、ちょっとした感想を漏らすアイラとエース。
一体何があるのかと見遣ると、洞窟のすぐ向こう側に湖が広がっていた。
近くでじっくり眺めたく思い、イノリは湖の方へ行こうした。

「お待ちしてましたよ、ゲド殿」

背後から、耳にしたことのない声。
皆、一斉に振り返る。

「あんたは!」

クイーンが僅かに警戒した、その相手は。
ゼクセン騎士団の副団長にして参謀役サロメと、幼き従士ルイスだった。

「その格好は、鉄頭の!!」

彼の羽織るジャケットの下に着た銀色の甲冑を見て、アイラが叫ぶ。
ジャックが手で制さなければ、アイラはサロメに掴み掛かっていただろう。

「鉄頭?あぁ…確かに私はゼクセン騎士団のサロメですが、その娘は?」

「こいつは………」

サロメの問い掛けに口を閉ざすジャックだったが、アイラはサロメの前に進み出て噛み付くように答える。

「カラヤクランのアイラだ!!お前達がやった事!あたし達の村を焼いた事を許しはしないぞ!!」

インパクト絶大の自己紹介だった。
サロメは一瞬顔を強張らせた後、彼女に重苦しい口調で告げる。

「あれは、不幸な事でした……」

「何が不幸だ!!そんな事で、騙されないぞ!」

「あれが……仕組まれた事だとしてもですか?」

アイラは吠えるのをやめ、聞き返す。

「…仕組まれたこと?」

「えぇ、ゲド…あなたから送って貰った情報…それからワイアット様からの情報も役に立ちました」

「仕組まれたって、どういう事だ?二人で街に出た時、イノリもそんな事言ってたよな?」

「え!わ、私そんな事言ったっけ?……忘れちゃったなあ…」

イノリは乾いた笑いで誤魔化した。
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