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□Level.16 かんぱい
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「…この軍の指揮官は僕になる」
ササライも、遠くで声を張り上げるヒューゴに、大きな声で素直に答える。
彼を射るような目で見るヒューゴの頭の中には、蘇る一つの記憶があった。
ヒューゴとササライは、既に一度戦っていたのだ。ヒューゴはその時のことを思い出し、運命的なものを感じた。
イノリ達があちこち歩いて色々やってる頃、ハルモニア軍がチシャに攻め入った。
その時は「炎の英雄が現れた」とハッタリをかましてハルモニア軍の動揺を誘い、援軍到着までの時間を稼ぐ…というシーザーの奇策によって、チシャは守られた。
巡り合わせとでもいうのだろうか。その時、炎の英雄ソルを演じ、ササライと一騎打ちをしたのもヒューゴだったのだ。
「かつて、ハルモニアと炎の英雄との間に約束が交わされたと聞いている!グラスランドに攻め込まないと!!」
「その約束には、期限があった。それは数年前に切れている。神殿の正式な回答だ。それで、納得してもらえるかい?」
優しい口調で告げられるササライの言葉は、内に酷薄さをはらんでいた。
「俺の右手には、炎の英雄から受け継いだ“真の火の紋章”が宿っている。俺は、この紋章にかけて、グラスランドとゼクセンの戦士達を炎の運び手の旗のもとに従え、お前達と戦う!!!!」
「我ら、カラヤクラン。炎の英雄のもとで、その死力を尽くそう」
カラヤクラン族長、ルシア。
「リザードクランの誇りは薄れてはおらぬ!!俺達を負かすつもりなら、皆殺しのつもりで来るんだな!!!!」
リザードクラン族長、デュパ。
「ゼクセン騎士団は、ゼクセン連邦と、グラスランドの平和のため、この剣を振るおう!!」
ゼクセン騎士団長、クリス。
三人の統率者が武器を掲げ、炎の英雄と共に戦うという決意を示す。
「炎の運び手の名のもとに、宣言する!50年前と同様に、全滅したくなければ軍を退いてくれ!!」
堂々とした態度で、ヒューゴはササライに呼び掛けた。
「50年前の全滅って…あの…謎の爆発というやつですか…」
ディオスはのんびりとした構えを改めるも、ヒューゴが真の火の紋章を継いだというのは、また嘘なのでは、と疑ってもいた。
彼は安易に判断するのを避け、指示を仰ぐようにササライに視線を送る。
「あぁ…あいつの宿しているのは真の火の紋章だ…それは確かだ。そして、その力を本当に使いこなせるというのなら…あの言葉も嘘じゃなくなる…」
ササライはヒューゴが真の紋章を宿していると悟り、警戒心を表出させていた。