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□Level.13 つどい
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「それから、ゲドもね」

「何がだ?」

「何が…って、本当は分かってるくせに。ゲドも『先輩』としてヒューゴを支えてあげてってこと」

イノリが人差し指を突き立てると、ゲドは自らの右手に目を向けた。

「…同じ苦しみを知る者として、より大きな運命と責任を背負っていたソルを、出来る限り支えてやろう…と、誓った事がある」

ここで初めてクリスはゲドが何者か理解したらしく、驚きに口元を押さえていた。

「今度は、炎の英雄の名を継いだヒューゴを助けるために…この紋章の力を使おう」

「それ、本人の前で言ってあげた方が良いと思うんだけど…まぁ、いいか」

イノリは満足げに口の端を上げる。

「ちょっと待って…!じゃあ、あなたは……50年前の……父の………」

クリスがゲドに詰め寄ろうとしたその時。

何の前触れもなく強い光が発生し、部屋を明るく照らし出した。

「! ……な、何これ!?」

光が生じた点の中心にいたイノリが悲鳴のような声を上げる。
何故イノリを中心に光が生じたのか。
光が解けた時に、その謎も解けた。

「何で今……翼が生えるわけ…?」

イノリは右に振り返り、左に振り返る。
薄く光を帯びる翼が背中に生えていた。

「…二人にも…見えちゃってるよね…?」

唖然としているクリスを見、初めて見たわけではないからか大して驚いていないゲドを見る。
二人とも小さく頷いていた。

「…あいつが、試練に打ち勝った…ということか」

「え…ゲド、どういう意味…?」

試練という単語を聞き、イノリは封印の間の方へ向き直る。
丁度ヒューゴが戻ってくるところだった。

すなわち、彼が真の火の紋章を継承した、ということだ。

サナに支えられ、肩で息をし、よろよろと頼りない足取りのヒューゴ。
だが、先程までとは雰囲気が違い、気迫に満ちた顔つきになっていた。
その変化をもたらしたのは、彼の右手に浮かび上がる、真の火の紋章。



…確か、最初に私の力を解放する切っ掛けとなったのは、真の雷の紋章の力…。

ビュッデヒュッケ城でゲドとジョーカーの会話に聞き耳を立てていた時と同じらしい。

「羽が現れたのは……丁度ヒューゴが真の火の紋章の封印を解いて、その近くにいる私の力が反応したから…か」

イノリはとりあえず自己完結するが、内心もやもやしていた。

そもそもイノリは、自分の持つ力について知らない事が多すぎるのだ。
だがその事に不満を抱いても、力の説明書もなければ、知識を持った人もいない。
誰か、自分の力について詳しく知っている人間はいないのだろうか。
イノリはちょっと考えながら、新たな炎の英雄を笑顔で出迎えた。
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