私立蒼炎学園

□第九話
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「水輝くん、大丈夫なの?」
そう問い掛けてきたのは灰原だ。
休みの間幸希はずっと部屋に居たことになっているので心配しているのだ。
「あぁ、平気だ」
幸希は微笑みを浮かべながら答えていた。
その表情と答えに灰原は安心したような表情を浮かべていた。
その日の放課後、幸希は中庭に来ていた。
「将、久し振りだな」
待ち合わせをしていた将を見つけて幸希は声をかけていた。
「久し振り。今日は復習からやるのか?」
「あぁ、ちゃんと覚えてるか見てやるよ」
将の問い掛けに幸希は頷きながら言っていた。
その言葉に将は早速動いていた。
「良く覚えてるな」
将の動きを見て幸希は感心したように言っていた。
「当たり前だろ」
将は誇らしげに笑って答えていた。
「そういやさ、もうすぐ生徒会入れ替えがあるよな」
「入れ替え?」
「あぁ、幸希は高等部からだから知らないよな。生徒会長は人気と家柄で決まるけど他の役員は会長の任意で決まるんだ。今回は会長以外が変わるから入れ替えなんだ」
幸希に説明し将はでも、と続けた。
「幸希なら家柄関係無く生徒会長になれそうだな」
「いや、生徒会長とかはもううんざりだ」
幸希は溜め息を吐きながら言った。
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