私立流星学園

□第三話
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若咲秋名を探せ騒動の翌日、喜一は秋名の部屋でテーブルのイスに座っていた。
秋名が作っている朝食を待っているのだ。
今日の朝食はご飯に味噌汁、ホウレン草のお浸しに漬物だった。
喜一は出された料理を見て両手を合わせて、
「いただきます」
と言って食べ始めた。
「やっぱり美味いな」
喜一は頷きながら言いどんどんと食べていく。
対して秋名は黙々と食べていく。
「なぁ、昨日も思ったけどそれで足りるのか?」
喜一が秋名の食事の量を見て問い掛けた。
秋名の食事の量はご飯と味噌汁はお椀の半分くらいでお浸しと漬物も喜一の半分以下だった。
その量を見て喜一は少し心配になって問い掛けたのだ。
「普通」
「俺だったら足りないな。お代わり貰っていい?」
問い掛けながら喜一はご飯と味噌汁のお椀を秋名に差し出していた。
「言うと思った」
言いながら秋名はお椀を受け取ると大盛りにして返していた。
秋名は喜一が良く食べるだろうと思って多めに作っていたのだ。
喜一がお代わりを食べ始めたときに秋名は食べ終わり学校に行く準備をし始めた。
といってもカバンを取ってくるだけだったのだが。
しばらくして喜一が食べ終わると皿を流しに置いて二人は部屋を出た。
「秋名、コンビニ寄ってくぞ」
「分かった」
喜一の言葉に秋名は頷きながらエレベーターに乗り込んだ。
秋名は気付いていなかったが、寮の一階には管理人室とコンビニがあるのだ。
喜一はそこで昼食を買っていた。
エレベーターに乗り込んで一階を押したがすぐ下の階で止まり扉が開いた。
「あれ、喜一じゃん」
エレベーターに乗り込んで来たのは170に届かないくらいの身長に栗色の髪にぱっちりとした二重の瞳を持って可愛らしい外見をした人物だった。
「蓮か。昨日ぶりだな」
喜一は笑みを浮かべて手を上げた。
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