私立流星学園

□第六話
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「体育祭も終わって次は待ちに待った中間テストだ」
体育祭の振替休日の翌日のホームルームで隆二はそれだけ言って教室を出て行った。
「中間テストかぁ」
喜一は小さく溜め息を吐きながら呟いていた。
「秋名ってどんな勉強してるんだ?」
「してない」
「え?」
喜一の問い掛けに秋名は一言そう答えていた。
「してない、のか?」
「する必要がない」
秋名の言葉に周りで聞いていた人物たちは秋名を睨み付けていた。
その視線に秋名は不思議そうに首を傾げていた。
「その様子じゃ知らないみたいだな」
喜一は苦笑を浮かべながら言っていた。
「あのな、進学科はテストの成績でテスト毎にクラス替えがあるんだ。それで皆1組に来たくて必死で勉強するんだよ」
「なんで1組?」
「1組は進学科の中で一番優秀だからだ」
「ふぅん」
秋名は分かっているのかいないのか、曖昧な返事をしていた。
「俺の成績が悪かったらクラス別になるかもしれないんだぞ?」
「クラスが違ったらもう会わないのか?」
喜一の言葉に秋名はキョトンとしたように問い掛けてきた。
「いや、そんなことはないけど」
「なら問題無い」
秋名は小さく頷きながら言っていた。
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