銀の魔法使い

□第八話
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シリウスは夢を見た。
冷たく固い床の感触を肌で感じながらシリウスはじっと一人の女性を見つめていた。
女性は怯えていた。
その腕に一人の赤子を守るように掻き抱き、床に投げ出された赤子に怯えていた。
「ち、がう。あ、んなの、私の子じゃない!あれは化け物よ!」
女性は自分を求めるように手を伸ばす赤子に向かって悲鳴のように叫んでいた。
それがシリウスが覚えている一番古い記憶だった。
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