銀の魔法使い

□第七話
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建国記念祭から数日経ったある日の昼、シリウスはディアに呼び出されて城に行っていた。
ユエとブランは屋敷の領地内を散歩していた。
「ん?花畑?」
領地の奥、滅多に人が来ないような場所に花畑が有りその奥には小さくも立派な建物があった。
その建物から金髪碧眼の美女が出てきた。
「こんな所で何してるの?」
美女と花畑を見ていた二人の背後から聞いたことのある声が聞こえてきた。
背後を振り返るとそこにはユーリィが立っていた。
「散歩していただけだ」
「ふーん、そうなんだ。けどここはあんまり来ない方が良いよ。父上が怒るから」
「なぜ怒るんだ?」
「僕とシリウスの母上の場所だから。ほら、あそこで笑ってる人だよ」
ユーリィは花畑に座って静かに微笑んでいる美女を指差して言った。
「もう壊れちゃったけど父上が一番愛してる母上なんだ」
「壊れた?」
その言葉にユエは眉をひそめながら聞き返していた。
「うん、シリウスの魔力の影響を一番多く受けた人でね、精神が壊れちゃったんだ。だから父上はシリウスが嫌いなんだよ」
突然告げられた言葉に二人は反応出来なかった。
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