銀の魔法使い

□第五話
1ページ/14ページ

ユエが目を覚ますと隣ではブランが眠っていた。
ブランを起こさないようにユエは起き上がり、周りを見回すとシリウスがイスに座って眠っていた。
その姿を見てユエは眉をひそめながらゆっくりと近付いていった。
今なら魔力を取られたユエでもシリウスを殺せるのだ。
ユエはシリウスに近付き、ゆっくりと手を伸ばした。
「何か用か?」
伸ばされた手を取りながらシリウスはユエに問い掛けていた。
「起きていたのか」
掴まれた手を悔しげに見ながらユエは言っていた。
「今、起きた」
背を伸ばし欠伸をしながらシリウスは応えていた。
「ユエ、俺を殺したいなら殺気を消すことを覚えた方が良いぞ」
再び欠伸をしながらシリウスは言った。
その言葉にユエは眉をひそめていた。
「何故、私にそんなことを言う?お前は死にたいのか?」
「死にたいわけじゃない。ただユエには俺より強くなって貰いたいだけだ」
「訳が分からない」
首を傾げて眉をひそめながらユエは言っていた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ