銀の魔法使い

□第三話
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「父上、ちょっと良いですか?」
朝食が終わりシリウスはヨシュアに声をかけていた。
「どうした?」
「二人で話したいことがあるんですけど」
シリウスが言うとヨシュアは自室に向かって歩き出していた。
それを追うようにシリウスも歩きヨシュアの自室に入っていった。
「どうしたんだ?」
「魔界で魔王が復活したらしいです」
その言葉にヨシュアは驚きに目を見開いていた。
魔王復活。
それは魔界と人界との戦争を意味していた。
その昔、魔王が復活し戦争となったとき、世界の人口が半分になるほど激しい戦争が起こったと伝えられている。
「だからこちらに来る魔物の量が多くなっていたのか」
ヨシュアは眉をひそめて呟いていた。
そしてヨシュアはシリウスに目を向けた。
「お前はどうするつもりだ?」
「どうするって?討伐命令が出れば行くけど?」
シリウスにとって魔王が復活しようがしまいがどうでもいいのだ。
そもそも魔王が復活する原因を作ったのは他ならぬ人間たちなのだ。
だからその人間たちが滅ぼされようとシリウスにはどうでも良いことの一つなのだ。
しかし、シリウスは一応育ててもらったという恩というものがあるので命令さえあれば討伐に向かう。
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