銀の魔法使い

□第一話
1ページ/21ページ

ここはセントクロス魔法学校、世界で一番広大な領地を持つアルカディア王国の首都にある世界最大の魔法学校だ。
その学校に今、シリウス・ヴィン・ランディットは双子の兄であるユーリィ・ディ・ランディットと一緒に向かっていた。
しかし双子といってもシリウスの方は180はある長身にスラッとした長い手足、腰まである銀糸のような髪を一つに束ね切れ長の瞳を持った誰もが憧れるような美男子で、兄であるユーリィは160ほどの身長に腰まである色素の薄い銀の髪をポニーテールにした丸く大きな瞳を持った女の子のような可愛い顔立ちの少年で全く似ていない。
「シリウス、早い!」
シリウスの背後から駆け足気味にやってきたユーリィがそう叫んでいた。
「普通に歩いてるだけなんだけど」
その言葉にシリウスに追いついたユーリィはギッとシリウスを睨み付けていた。
「お前、自分が少し足が長いからって僕を馬鹿にするな!お前が母上のお腹の中にいる時に僕の身長取ったからいけないんだ!」
そう叫ぶユーリィの目には涙が滲んでいた。
「おっお前がぁっうっヒック」
ユーリィは泣き出してしまった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ