獣使い

□第七話
1ページ/45ページ

帝都に入ったラルシードは歓声に迎え入れられていた。
同盟締結にソルーシャ奪還の功績は既に帝都に知らされていたのだ。
歓声を聞きながらラルシードたちは城に入っていた。
「おとうさま!」
城に入りラルシードたちが歩いていると小さな人影がラルシードの足にしがみつくように抱きついてきた。
「キャロ、元気だったか?」
足元の小さな人影をキャロと呼び抱き上げながらラルシードは問いかけていた。
「おとうさまがいなくてさびしかった」
抱き上げられて首もとに抱きつきながらキャロは告げていた。
「それはすまなかった。もう少ししたら暇になるからそしたら遊ぼうな」
言いながらラルシードはキャロを降ろしていた。
「はい」
その言葉にキャロは笑顔で頷きウォルフを探してかその視線はラルシードの背後に向いていた。
「おとうさま、あのおんなのかたはあたらしいおかあさま?」
その言葉に周りの空気は凍った。
なぜならキャロの視線は真っ直ぐにイシュタルに向けられていたからだ。
沈黙の中でイシュタルは動き出しキャロに近づいていく足音が妙に響く。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ