獣使い

□第六話
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イシュタルとラルシードが手合わせして二日後、ラルシードたちは帰ることになった。
護衛は当然のごとくイシュタルだ。
「じゃあイシュタル、早く帰ってくるんだよ?」
カーディナルのその言葉を聞きながら一行は出発した。
「さて今回は急いで帰りましょうか」
「そうだな。獣に襲われないとして一月で帰れると思うか?」
「馬に負担をかけることになりますが、帰れると思いますよ」
「じゃあ行くか」
そう言って一行は馬を走らせた。
街に泊まれるときは泊まり野宿しながら二週間が経ったある時、一行の下に一人の兵士がやってきた。
それはキャトルニア帝国からの伝令役だった。
「でっ殿下!ソルーシャの街がエストリアに占拠されました!」
「なっ父上は何をしてるんだ!」
「陛下は、あの街は殿下の領地だと申されました」
「俺が自分でどうにかしろと言うことか」
眉を寄せながら言いラルシードはイシュタルに目を向けた。
「イシュタル殿、お願いがあるんだが」
「《獣軍》はガルバディア皇帝の許可が無ければ出せません」
話の流れからラルシードの言いたいことを理解したイシュタルはそう言い放った。
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