獣使い

□第五話
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同盟の際の条約が決まり、同盟は締結した。
それを祝うためのパーティーが開かれることになったのはイシュタルが戦場から帰ってきた次の日だった。
「イシュタルも出るんだよ?」
戦場から帰って来た日の夜、カーディナルはイシュタルの部屋を訪れていた。
カーディナルの言葉にイシュタルは黙り込んだ。
イシュタルは無言の抵抗を示していた。
そういったパーティーにイシュタルが出ないのは暗黙の了解のはずだった。
「父上がこういうことは家族全員で祝う物だって言ってね。ファーナがイシュタルの服を選んでるよ」
カーディナルはにっこりと微笑みを浮かべながら言った。
「分かりました」
諦めたイシュタルは溜め息を吐きながら頷いていた。
「じゃあ今日はゆっくりと休んで疲れを取るんだよ」
そう言い残してカーディナルは部屋を出て行った。
イシュタルは小さく溜め息を吐きながら窓から部屋の外に出て行った。
向かったのは林だ。
この頃そこにいる《獣》を構ってやっていないのでそろそろ構ってやらないと拗ねてしまうのだ。
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