獣使い

□第三話
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イシュタルが妙な紅髪の男と会って二ヵ月ほどしたある日、キャトルニア帝国から使者が訪れた。
その内容は同盟の申し込みだった。
キャトルニア帝国といえばガルバディア帝国と並ぶほどの大国だ。
使者は返事を貰うまでは帰るなと命を受けていたのでガルバディアは使者の部屋を用意し、緊急会議を始めた。
その会議には皇太子であるカーディナルと今や軍事の重要人物であるイシュタルを始めとした重臣たちが集まっていた。
「今までキャトルニアからの接触は無かったというのにどういう風の吹き回しでしょうか?」
白い髭を蓄えた参謀役の老臣はそう言った。
「やはり軍事力に目を付けたのではないでしょうか?」
カーディナルの言葉にその場に居た全員の視線がイシュタルに向けられた。
イシュタルは会議に出ても基本的に発言はしない。
それはイシュタルの発言をガルバディアとカーディナル以外聞かないからだ。
「イシュタル、キャトルニア帝国と戦になって勝てる確率はどれくらいある?」
「3割程度でしょうね。あの国は魔術師の質が高いですから、一般兵を倒している間に魔術で獣がやられます」
獣は人より強いが、最強ではない。
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