「昴流くん、好きですよ」 星史郎は甘い言葉を吐きながら、昴流の腰にそっと手を回す。 「嘘、言わないで下さい」 にっこり笑う星史郎を一瞥し、昴流はするりとその手から逃れるように身をよじった。 「心外ですね。こんなにも昴流くんへの愛でいっぱいなのに」 逃がさないと言わんばかりに、ぐっと肩を引き寄せ、昴流の顎をつかんだ。 「本心なんかじゃないくせに」 力の差に、逃げるのが無駄だとわかった昴流は。それでも冷たく吐き捨てるような言葉を星史郎に投げかけた、が。星史郎はますます愉快そうに微笑んだ。 「やっぱり、ばればれですかね」 白く細い首筋にゆっくり舌を這わせ、耳元にたどりつくと。くちゃり、水音を立てながら。昴流の耳を弄びはじめた。そうして、低い声で囁かれるのは。 「昴流くんが嫌いなこと」 なんの感情もこもっていない言葉。ただの一言で昴流の身体は縛られる。 「嫌いですよ」 くすくす、笑いながら昴流を侵してゆく星史郎に。訳がわからないほど、背筋がぞくりと震えた。同時に身体に熱が集まる。しだいに昴流から甘い吐息が漏れはじめた。 「知っていますか……、昴流くんは僕の本音に敏感なんですよ?」 end. 僕の言葉にさえ縛られる愛おしい君 |